「職場の問題かるた」は「相互理解」のきっかけづくり
【沖縄タイムスくらし面記事】
かるたを使って働き方改革
本年11月14日(火)付け沖縄タイムスくらし面にて「職場の問題かるたで本音、職場改善のきっかけに」という見出しで、とある会社の取組みが紹介されていたので、同紙面の内容について、相互理解の立場からお話ししてみたいと思います。
その会社とは、「日本ガイシ」という名古屋市瑞穂区に本社があるセラミック製品メーカーです。
同社では「働き方改革の一環で、かるたを使って職場の問題を率直に話し合い、改善策を見い出そうと取り組んでいる」ということです。
「職場の問題かるた」とは、その使い方
使っているかるたというのは「職場の問題かるた」という今年の秋に発売された、働き方改革用のアイデア商品で、「けじめなく、今日も仲良くダラダラ残業」「眠気とたたかう退屈会議」といった様々な職場に共通する「あるある」な問題がかるたには書かれているそうです。
このかるたでゲームを行った後、どうしたら職場の問題が解決するかの議論を行うそうで、参加者の反応として「かるたは、普段思っていても言えないことを和気藹々と楽しく言い合える突破口になるのでは」といった声や「意識していなかった問題にも気付けたし、気持ちを吐き出せてスッキリした。改善に生かしたい」といった声が聞かれたようです。
【相互理解を深めるきっかけをつくる取組みについて】
相互理解コンサルティングの中にも、この記事の事例に近い取り組みがあります。
「クレーム対応にあたった従業員の“心の声に耳を傾ける”」取組みとは
それは「クレーム対応にあたった従業員の“心の声に耳を傾ける”」という取組みです。
誰しもクレーム対応はつらいし、出来ればやりたくないものです。しかし直接お客様との対応が頻繁な飲食業や窓口を持つ店舗などでは、避けては通れない問題です。
そこで「クレーム対応」が起きた後、その対応にあたった従業員が「クレーム対応」にあたっている時の「こわい、つらい、泣き出したい」といった気持ちや感情を、職場のみんなに率直に伝えてもらう、という取組みです。
取組みのメリット
この取り組みを行うメリットとして、
- クレーム対応にあたった従業員にとって、通常であれば言えない様な「こわい、つらい、泣き出したい」といった自分の気持ちや感情を吐き出すことができる。
- こういった取り組みがなければ、単純に「クレーム対応大変そう」とか「可哀想に」と相手の立場に立った気持ちを理解することもなく、「ひとごと」で終わってしまう「仕事上の出来事」を、職場全体で共有することによって、「人の立場に立った」考え方や行動が身につくようになる。
- それまで上司から「クレームが発生しないための職場改善対策」を考えることに消極的だった従業員も、クレーム対応にあたった従業員の「こわい、つらい、泣き出したい」という気持ちを共有することで、クレームが発生しないための取組みを自発的に取り組むようになる。
等といった、職場全体の意識が「相互理解」に向かい始めるきっかけになると思われます。
今回お話しした「クレーム対応にあたった従業員の“心の声に耳を傾ける”」という取組みは、会社や職場といった組織の中で、「相互理解を深める」きっかけづくりになるかと思いますが、いきなり従業員に「自分の気持ちや感情を伝えてください」とか「みんなで相手の立場になって気持ちを共有しましょう」ということに抵抗感があるといった場合には、最初は今回の記事で紹介されているような「職場の問題かるた」を使うところから始めるといいかもしれません。