相互理解が会社に与える3つのメリットについて
以前会社の人事担当の方と名刺交換をした際、こんな質問を頂きました。
それは、
「社内で相互理解が深まることで、どのような良いことがあるのですか」
というものでした。
確かに、相互理解と会社経営、なかなか結びつかないかもしれません。
それでは社内において相互理解が深まることで、会社にとっての「いいこと」、メリットを以下3点に絞ってご説明したいと思います。
【相互理解が会社に与える3つのメリット】
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仕事の生産性(効率)が向上する
相互理解が深まることで、従業員同士のコミュニケーションの質が向上します。
コミュニケーションの質が向上することによって、経営者の想いや考え方が社長から重役、重役から管理職、管理職から末端の従業員に至るまで行き渡るようになり、会社の経営理念、社是に則った、会社が本来追及する顧客サービス・社会貢献に徹する仕事が出来るようになります。その結果不必要な仕事は排除され、本当に重要な仕事に集中できる仕組みづくりを考えるようになります。それまで棚上げされていた業務改善に着手することにより、仕事の効率が良くなり、生産性が向上していきます。
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クレームの減少
クレームは会社にとって「会社に対するお客様からのご意見を直接頂戴することが出来る」とても貴重な機会です。
しかしながら、直接窓口や電話などで対応する担当者にとっては、「つらくて、しんどくて、逃げ出したい」時間かもしれません。
そんなクレーム対応ですが、会社内で相互理解が深まることで、従業員同士お互いの感情を共有できるようになってきます。そうなると自分以外の従業員がクレームを対応しているのを目の当たりにすると、「自分でもクレーム対応している人のつらさ、しんどさ」が伝わってきて、「このままではいけない、クレームの原因を調べ、何とかクレームが出ない方法を考えなくては」と従業員みんなで対応策を考えることが出来るようになることから、クレーム自体が減っていき、たとえクレームが出たとしても、迅速に対応が出来るようになります。
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離職率の減少
リクルート社による転職活動経験者に対して行った「退職理由の本音ランキング」アンケート結果によると、
退職理由の本音ランキング
1位:上司・経営者の仕事の仕方が気に入らなかった(23%)
2位:労働時間・環境が不満だった(14%)
3位:同僚・先輩・後輩とうまくいかなかった(13%)
4位:給与が低かった(12%)
5位:仕事内容が面白くなかった(9%)
6位:社長がワンマンだった(7%)
7位:社風が合わなかった(6%)
7位:会社の経営方針・経営状況が変化した(6%)
7位:キャリアアップしたかった(6%)
10位:昇進・評価が不満だった(4%)
この結果で特筆すべきは、退職理由のベスト3以内に「人間関係に対する不満」が2つも挙げられていることです。
逆を返すならば、人間関係が良好な会社づくりが出来るのであれば、離職者を大幅に食い止めることが出来ることになります。
相互理解を社内で深めることが出来れば、社員間のすれ違いや誤解を未然に防ぐことが出来るようになり、風通しの良い職場環境に変わっていきます。
その結果、人間関係に対する不満は格段に減少し、離職率も下げることに繋がります。
以上、社内で相互理解が深まることで生まれるメリットを3つに絞ってお伝えさせていただきました。
【相互理解の本質とは】
会社経営では人事面においては大きく二つの側面があると思います。
一つめは「ビジネス」、二つめは「人情」です。
社内におけるコミュニケーションをすべてビジネスライクに割り切った言動を行うと「冷たい」「ぎすぎす」した雰囲気になります。
かといってすべて人情に流された言動を行うと、「規律のない」「なあなあ」の雰囲気になります。
社内において相互理解を深めることは、「なあなあのお友達、仲良し関係をつくる」ことではありません。また「自己中心的なエゴやわがままを言い合う」ことでもありません。
「相互理解を深める」とは、経営理念・社是に基づき、お客様の為、会社のために自分が持っている能力を最大限発揮し、全力を尽くし、貢献します。そうした仕事をしていく中で、つらいと感じたり、しんどいと思ったりした時、その感情を受け止めてくれる、共感してくれる上司や同僚、部下がいる職場環境を築いていくことが、相互理解を深めていく、本当の意味があります。