24 10月

人件費削減のため残業時間を減らし定時退社を可能にする方法について

【残業は経費の無駄遣いか】

残業は従業員にとって、また会社にとってどういった影響を与えるのでしょうか。

 

【従業員の立場から見た残業の影響について】

例えば従業員の立場から見てみます。

厚生労働省から出されている「健康づくりのための睡眠指針」によると、人間の集中力は起床後12~13時間だといわれています。さらに15時間を超えると「酒気帯び運転と同じ程度の作業能率」まで落ちるといわれています。

もしある従業員が6時起床で9時から18時までの就業時間だとすると、18時、19時以降集中力はガタッと落ち、21時以降は「酒気帯び労働」並みの能率になるというわけです。

 

【会社の立場から見た残業の影響について】

一方会社の立場になってみると、残業時間に対しては通常の賃金の2割増しの「残業手当」を支払わなければなりません。集中力がガタッと落ちた非生産的な労働に対し、割増賃金を払うということは「費用対効果」の低い支出が発生することになります。

企業としては出来るだけ無駄な支出を行わないことを目指すものですが、こうした残業手当の支出は「無駄遣い」とも見える支出になることはお分かり頂けると思います。

 

【残業の発生理由について】

では残業ななぜ発生するのでしょうか。

それではここで残業の理由を見ていきたいと思います。

 

昨年行われた調査結果によると(一般社団法人日本能率協会「第7回ビジネスパーソン1,000人調査(仕事と健康編)」)、1日あたりの平均残業時間が3時間以上の人では、「自身の日常業務が終わらないから(50.0%)、次いで多いのが「職場が残業をする雰囲気だから」(27.1%)、となっており長時間残業の背景には、職場風土の影響がうかがえます。

 

更に「残業を減らすためには?」という質問の答えとして、

1位「必要ない業務をやめること」(29.8%)、2位「職場が残業をする雰囲気を無くす」(27.1%)、3位「特定の人に負荷がかからない仕事の割り振り」(24.9%)という結果でした。

 

ここで残業理由の第2位となっている「職場が残業をする雰囲気だから」(27.1%)を解消するため方法を、相互理解の見地からお話ししたいと思います。

 

【相互理解の見地からの残業時間削減方法について】

この残業理由第2位に挙げられている「職場が残業をする雰囲気だから」ですが、こういった雰囲気の会社においても相互理解を進めて行くことで「定時退社しやすい雰囲気」へと変えていくことが出来ます。

こうした「職場が残業をする雰囲気だから」という根底には、「残業する社員ほど会社のために頑張っている社員」とか「若い社員は残業して当然」という暗黙のルールというか昔ながらの既成概念が残っているからだといえます。

従って「暗黙のルール」の既成概念を持った人たちに「定時で退社したい」人たちがいて、その理由の内容を納得してもらえばいいわけです。

【「定時で退社する」雰囲気に変える方法とは】

1.残業なしで帰りやすい方法を制度化することを上司に提案

2.リサーチ:どれくらいの人数が時間内で帰ることを希望し、可能な人がいるか。

3.残業を希望する人、定時退社を希望する人両者の思いを発表する場を設定し、お互いの気持ちを理解し尊重する努力をする。

4.残業する人と残業しないで帰る人を容易に判別できる方法を考える(札、帽子、着衣とか)

5.制度スタート

このプロセスの中で重要なことは、3の残業希望者と定時退社希望者お互いが互いの事情や気持ちを伝えあう時間、機会を設定することと、その際相手の立場になって、その気持ちを理解し尊重する気持ちを持とうとすることが最も大切になってきます。

こうした、まずは「お互いの気持ちを伝え合う場を持つこと」を始めることによって、徐々にですが会社の雰囲気は変わってくるでしょう。